【前編】「山翠会」“匠”職人さんにインタビュー―株式会社山上の誇る職人集団

山翠会(さんすいかい)は、株式会社山上の専属壁装職人チームとして設立された職人集団です。

30年以上にわたり、高品質で付加価値の高い壁装施工を行っています。その中でも特に卓越した技術と経験を持つ職人だけが、「山翠会 匠」として選抜されます。

「山翠会 匠」は、全員が国家資格である壁装一級技能士(表装技能士)を取得している技術者揃い。伝統的な和紙から難易度の高い輸入壁紙、最新のインクジェット壁紙、特殊技術を要する緞子(どんす)貼り、そして瞬間調光フィルム「FLクリスタルブラインド」まで、あらゆる壁装施工の分野に精通しています。また、技能グランプリで全国上位に入賞する熟練者や、定期的な技術研修で研鑽を深める精鋭集団でもあります。

——今回は、そんな「山翠会 匠」メンバーの3名に集まっていただき、“匠”の技と職人道、その裏側についてお話をうかがいました。

目次

【プロフィール紹介】

赤本 康輝さん

①赤本 康輝さん
・職人歴:30年目/1996年〜
・壁装一級技能士(表装技能士)の取得年:2009年
・趣味:「旅行ですね。この前、佐賀県に気球を見に行きました!台風で見られなかったけど(笑)」

隅谷 佳郎さん

②隅谷 佳郎さん
・職人歴:44年目/1982年〜
・壁装一級技能士(表装技能士)の取得年:1996年
・趣味:「前はサーフィンだったけど…、今は映画鑑賞かな?」

遠藤 真也さん

③遠藤 真也さん
・職人歴:13年目/2013年〜
・壁装一級技能士(表装技能士)の取得年:2022年
・趣味:「仕事一筋!…あと、焼肉ですかね」

職人を目指したきっかけ

――早速ですが、皆さんが職人を目指したきっかけを聞かせてください。

赤本さん:
「父がこの仕事をしていたことがきっかけですね。最初は父と一緒に仕事を始めて、その後独立しました。職人としてのベースは、父から教えてもらいましたね。」

隅谷さん:
「僕の父は襖の表具師で、その影響ですね。そんな父の背中を見て、この道に進みました。…ちなみに、赤本さんのお父さんが、僕の親方のひとりなんですよ。」

――職人であるお父さまを近くで見てきたご経験が、今の仕事につながっているんですね。遠藤さんはどうでしょう?

遠藤さん:
「僕は元々工務店で働いていたんですが、そこでクロス貼りの職人さんに出会ったことがきっかけですね。その方が今の親方です。
『体を動かして、人と関わりながら、思い描いたものを形にできる』そんなところにすごく惹かれました。そこから弟子入りして、必死に技術を学びました。」

――皆さん、職人になった背景には“人との出会いや憧れ”があるように感じます。

得意な壁紙や特殊施工について

――得意な壁紙や特殊施工について教えてください。

赤本さん:
「色々あるけど、FLクリスタルブラインドですかね。界隈でもトップ5に入るんちゃうかな、なんて…(笑)。それくらい、得意分野だと思っています。」

インタビュー施工写真1
FLクリスタルブラインド(瞬間調光フィルム)の施工をする赤本さん。
インタビュー_施工写真2
細かな異物が入らないよう配慮しながら、慎重に作業が進められていく。

隅谷さん:
(周りから「布クロスでしょ!」との声)
「はい、布クロスですかね。そうしとこうか(照)。」

※布クロスは、ビニールクロスに比べて施工が難しい素材。繊維が伸縮するので、美しく仕上げるのに熟練した職人技術が必要と言われています。

遠藤さん:
「自分は、輸入壁紙ですね。」

――皆さん、それぞれ得意な素材や専門性があるんですね。では、過去の現場で特に印象的だったエピソードがあれば教えてください。

赤本さん:
「GLION ARENA KOBE(ジーライオンアリーナ神戸)ですね。山翠会の匠5人全員で力を合わせて仕上げた現場です。個々の技術を出し合いながら、皆でひとつになって収めた現場だったので。それぞれの技術を共有したり、チームで連携しながら進められたのが印象的でしたね。」

GLION ARENA KOBEでの施工イメージ1
GLION ARENA KOBEでの施工の様子。
GLION ARENA KOBEでの施工イメージ2
GLION ARENA KOBE 4階VIPエリアに相応しい、箔が施された空間に仕上がった。

施工場所:GLION ARENA KOBE

隅谷さん:
「僕は有馬グランドホテルの宴会場ですね。夕日の写真をプリントした壁紙を9枚、10枚と貼っていくんですが、失敗が本当に許されない。地震でその部屋はもうないんですけど、あの時は一番手が震えたのを覚えていますね。」

遠藤さん:
「僕はNIWAKA大阪髙島屋店です。商業施設内なので夜間工事になったり、さっき得意なもので挙げた「輸入壁紙」のほか、「絹布紙(きぬふし)」という普段なかなか触れる機会が少ない素材を貼ったので、印象に残っています。」

※絹布紙は、国内産絹糸100%の織物に越前紙を裏打加工した素材。

NIWAKA施工イメージ
NIWAKA 大阪髙島屋店の施工後の様子。

施工場所:NIWAKA大阪髙島屋店

幅広い施工に対応する秘訣とは

――様々な壁紙、素材でも幅広く対応されていますが、その秘訣は何でしょう?

遠藤さん:
「どんな素材を扱うにしても、基本の技術が大事ですね。ベースができていれば応用がききますし、素材ごとの特徴に配慮したり、意識ができる。まずは、頭と体にたたき込むことが大事なんじゃないかなと思います。」

――基本がしっかりとできているからこそ、どんな素材や施工にも柔軟に対応できるのですね。

職人の原点や得意分野、現場へのこだわりを一人ひとりの言葉から感じることができました。壁紙という仕事の奥深さと、“匠”たちが日々どのような思いで現場に向き合っているのか。その根底には、基本技術への自信と素材ごとの細やかな配慮、そしてチームで現場を仕上げていく誇りの姿勢がありました。

次回は後編に続きます!

後編では、日々の仕事で大事にしていることや、山翠会という職人集団としての強みについて、さらに掘り下げていきます。どうぞお楽しみに!

株式会社山上では、豊富な実績をもとに確かな技術とサポートをご提供しています。

瞬間調光フィルム「FLクリスタルブラインド」をはじめ、
特殊壁紙の施工・導入をご検討中の方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

✔ ご相談・資料請求は無料!
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